たった一つの正解を求めて苦しくなってしまっている人に。
著者は最低賃金労働の仕事をいくつも経験したのちにハーバード教育大学院の個性学研究所長になったという異色の経歴の持ち主。
学校の成績も悪く、仕事もうまくいかなかった著者が、大学院に進学できた理由のひとつに、父のフォローがあったんだとか。
それはいわゆる勉強法なんだけれど、それは一般的なものではなく、著者にとって最適なやり方だった。
著者の苦手をカバーし、得意を伸ばせるようなやり方だった。
まさに個性学という学問にぴったりな方!
子供を育てていると、個性というのはとても気になる事柄のひとつ。
それと、同時に平均というのもとても気になってしまう。
私は最近、娘の発達が平均より遅れていることが気がかりになっていた。
平均なんて所詮大枠なので気にする必要はない、とわかりつつ、ちょっともやもやする部分があり、この本を読んだ。
赤ちゃんがハイハイするまでの経過は、きれいに寝返り、お座り、腹ばい、ハイハイ、となるとは限らなくて、飛ばしたり、いったりきたりをしても不思議では無いらしい。
実際、私自身が赤ちゃんの頃は寝返りをせずにお座りをするようになったんだとか。遺伝やないかい!
わかっていても心配してしまうのが親心。
平均なんて気にしなくていい、と頭ではわかっているのに無意識に縛られている人も多いのかも。
私も大学院で乳幼児心理学を勉強していたのである程度の知識があるけれど、それでも我が子のことになると盲目になってしまう。
わかっちゃいるけど…な方に一読をおすすめしたい。
また、教育だけではなく、キャリアについても勉強になる本書。
例えば、アメリカの大企業、コストコは福利厚生が充実していて、なおかつ、売り上げも伸び続けている。これも個性学が関係しているらしい!
日本でも学歴フィルターや足切りというのが当たり前に存在するけれど、それによる弊害もある。
それはなんとなくわかるような気もするけれど、どういうことなの?ということが事例を交えて書かれています。
採用、人事をやっているけれどいまいち良い人材が取れていない、という人も役に立つはず。
何より、自分は平均以下だ、世間から求められているたった1つの正解に自分は当てはまらない、そう落ち込んでる人はとても勇気をもらえる一冊。
私も子供たちも個性が輝けるように、平均思考に縛られないようにいたい。
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