雑誌の連載で始めて川上未映子さんの文章に触れてから、すっかりファンになってしまったわたし。特にエッセイが大好物でございます。
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エッセイを主に読んでいるわたしですが、川上未映子さんの作品は小説も読んでいて、どれもぜんぜんちがくって、ぶっ飛んでいて、面白いんです。
女性の、女性による、女性のための小説。男性にはわからないかもしれないし、わからせようともしていないのかもしれない。ファンは圧倒的に女性が多いんだろうな。
女性の感性、女性という性のこと、面倒だけど女らしさってこうなんだよねー、と、まさにわたしのような面倒くさい女性にぴったりの小説。
そんなわけで、今回は川上未映子さんの作品の中でオススメの小説を5つご紹介します。
わたくし率 イン 歯ー、または世界
歯科助手経験がある川上未映子さんらしく、歯科助手のお話。もう話はまさに病的、あまりに支離滅裂で病気なんだろうなあ…の主人公。かなり激しくて、「小説ってこんな感じだったっけ…?」と戸惑いながら読み進めました。
それがだんだんと「こんな小説があるなんて!」となり、結局もくもくと読んでしまいました。
頭で理解しようとするというより、流れに任せてずんずんと読み進めると新しい世界が見えるよ。
ヘヴン
いや、わたしもよくわからないんだけれど、こんなによくわからない話なのに感情移入しちゃっている自分に驚くんです。
結局感情移入しちゃっている時点で小説が勝ち。
内容としてはいじめを扱っていて、子どもの世界のいじめの残酷さにぎゅーっとなります。
漫画の聲の形とか好きな人は好きなんじゃないかな。
ちなみにわたしは聲の形大好きです。なんで嫌な気持ちになるのにこういうのって読みたくなるんだろう。
乳と卵
男性はこれを読んだらどんな気持ちになるんだろう?苦々しい気持ちになるんじゃないかな。
いちど読んでみて、と思うけれど、読んでよかった!と思う作品ではないかもしれない。
けどおすすめしたい!かあーっ!もどかしいこの気持ち。
女性という性のこと、母子関係のこと、豊胸とか、初潮だとかが絡まって、卵ってそういうことか、という話。いや~な感じがずっとする。だけど読んでしまう。
こんなに読んでいてもやもやする小説ってない。とにかく不思議な話なんです。
やっぱり男性より女性に読んでもらいたいかなあ。
すべて真夜中の恋人たち
とても美しく、はかなく、静かな物語。
相変わらず、ハッピーな気分になれるものではなく「なんでこうなっちゃうかなあ…」とうつうつとした気分にはなるんだけれど、ふとした瞬間、ちょっとだけキラッとひかる瞬間があって。
それに救われる人は多いと思う。
川上未映子さんの作品って寂しさとか悲しさに触れて、しばらく離れないんです。
みんな、誰に感情移入するんだろう。
わたしはなぜかヒロインではなくて、男性の方、三束さんの方に気持ちが入ってしまったなあ。
先端で、さすわさされるわそらええわ
中原中也賞受賞作。これは詩なのか、散文なのか、エッセイなのか、小説なのか…どのジャンルなのか、どれにも当てはまらないような不思議な本。この作品に限らず、川上未映子さんの作品はタイトルがすごくいい。
とにかく唯一無二な感じがとても素敵。わたしは川上未映子さんの作品を読んで関西弁にひどく憧れたけれど、実際の関西弁ってこんなじゃないらしいね。
ちょっとこの作品に関しては内容を伝えるのが難しすぎる。
とにかくショートストーリーのようなものがいくつか入っています。
川上未映子作品読んでみてね
好みが分かれるであろう川上未映子さんの作品ですが、はまる方にはズドーンとはまる。
そして、川上未映子さんの本はどういう話なのか説明するのがすっごく難しい!それが川上未映子さん。ちょっと気になったら手に取ってみて。