村上春樹さんの本で面白いのは、実はエッセイだと思うんです。
日本のみならず、世界で有名な村上春樹さんですが、エッセイがこんなに面白い! というのを知っている方は実はそんなにいないのでは。
「小説は普段読むんだけど、エッセイは読んでないな」って方も、そして、「小説自体まったく読まないよ」って方も、エッセイならたのしく読めるのでは?!
と、いうことで今回は村上春樹さんのエッセイでおすすめなものを5作選びました。それではどうぞ!
走ることについて語るときに僕の語ること
走ることについて、さほど興味のないわたし。そして、村上春樹さんのこともほとんどよく知らなかったわたしが、本屋で偶然立ち読みしてついつい買ってしまった1冊。自伝のような雰囲気なので、村上春樹ファン、そして作家がどういう生活をしているのか興味がある方にはとくにおすすめ。読んでみると意外なことがたくさんあって面白いですよ。勝手に作家ってインドアなのかと思っていたので意外&意外で、「へえー」「はあー」と止まらない。
わたしは興味のある作家さんの家族のエピソードが大好きでして、江國香織さんのいくつもの週末 (集英社文庫)とか、さくらももこさんのそういうふうにできている (新潮文庫)とか、大泉洋さんの大泉エッセイ 僕が綴った16年 (角川文庫)とか、大好物なわけです。
大好きなエッセイ本をみんなに読んでほしい〜! 子どもの頃から本を読むのが好きでした。 学生の時は小説や専門書を含めると年間400冊くらいは読んでいました。 最近は子どもも生まれて読書ペースはだいぶ落ちていますが、エッセイはやっ[…]
そんな方にはぜひ走ることについて語るときに僕の語ることはおすすめです。哲学的でふむふむとわかりやすく、深い話が聞けます。この気持ちはこういう言葉で言えばいいのねと嬉しくなりました。
職業としての小説家
シンプルな毎日。だけど、これを続けられる人はなかなかいないんだろうなと思いました。「実は小説を書いてみたくて。」という方にもおすすめです。かなり作家の生活が詳しく書いていますよ。参考になるかはわかりませんが…
けっこうボリュームがあるのですが、章が細かく分かれていますし、どれもどんどん読み進められました。
村上春樹、河合隼雄に会いにいく
今は亡き臨床心理学者・河合隼雄先生との対談集です。先ほどご紹介した職業としての小説家 (新潮文庫)でも、じつは河合隼雄先生が登場しています。村上春樹さんは自身のエッセイの中でも人に心をなかなか開かないと幾度と発言されています。が! 村上春樹さんがこれだけ素直に話されている。河合隼雄先生(なんとなく学者の方には”先生”づけをしてしまう)はほんとうにすごいなー。
心理学に興味がある方、村上春樹さんが本当はどういう方なのかが知りたい方にぜひ読んでいただきたい1冊。
村上ラヂオ
なぜか食べものに関するお話が多いなーと思っていたのですが、村上春樹ファンはすぐに納得! 村上春樹さんの小説が好き! という方や軽い話が読みたいな〜という方に特におすすめです。大橋歩さんの版画もとても素敵。
おおきなかぶ、むずかしいアボカド
タイトルがまず素敵ですよね。タイトルだけでもうイイ。ありがとうございました、ごちそうさまでした、という感じ(?)。村上ラヂオに続き、雑誌「anan」に連載されていたエッセイを収録したものです。村上春樹さんとわたしは親子以上の年齢差があるため、これはジェネレーションギャップだなあ、と思う場面もしばしば。かわいいおじちゃんだなあウフフ、という気分で読めます。
とにかく気楽に本が読みたいんだ、という方にはまずこの本が一番おすすめですね。「今週の村上」という一言もクスっとして良いです。アボカドがなぜむずかしいのかはぜひ本編で。
村上春樹エッセイ読んでみてね
小説はとっつきにくいわ、という方にこそ読んでいただきたい村上春樹さんのエッセイ。さらっと読めるけれど、深いんです。